2018年9月27日 (木)

2018『いちばんわかりやすい北欧神話』重版が決定しました

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【重版のお知らせ】

2013年に出版した『いちばんわかりやすい北欧神話』の重版が決まりました。4刷です。手に取ってくださった皆さま、ありがとうございます。アマゾンkindor版で神話部門1位をいただいています。

「北欧神話」はスウェーデン、ノルウェ、デンマークで語り継がれてきた神話。天地創造から最終戦争、世界滅亡までが描かれる壮大な物語です。神々はいたって人間臭く、オーディンやトール、ロキなど、キャラクターのおもしろさからゲームや漫画のネタに使われていることで有名です。最近では漫画『進撃の巨人』『ワンピース』、トールキンの『指輪物語』、古くはワーグナーのオペラ『ニーベルングの指環』まで、様々なエンターテインメントになっています。

で、ここからが本題。この神話は<神々VS巨人>という戦いの構図が注目されがちですが、私は北欧神話は「自然への畏怖の念」が根底にあると考えています。終末に向かう場面では、地震、津波、ひょう、大嵐、山の崩壊など自然災害が続き、約2000年前から伝わる神話とは思えないほど現代にも通じます。

敵対する巨人とは、氷、ひょう、嵐、炎などを擬人化した存在です。最終戦争ラグナロクで神々はみな、巨人に殺されますが、これは「自然の猛威には人間は勝てない」ことを表しているように思います。神様が死ぬ?万物を創造した神が負けちゃうの?と不思議に思うかもしれませんが、他の多くの神話と違って、「北欧神話」の神々は万能でも不死でもありません。やがて訪れる終末に恐れ、おびえ、右往左往して、最終戦争を避けようとあらゆる努力をします。神様たちの行動が人間界に悲劇をもたらすのですが・・・。

神々と敵対する「巨人」たちが、愛と豊穣の女神フレイヤを妻にしようと奪うシーンが度々出てきます。春の象徴でもあるフレイヤを奪うことは、寒い冬がいつまでも続くことを意味しているように思います。(豆知識:ノルウェーのオスロに「フレイヤ」という名のおいしいチョコレート屋さんがある)。

最終戦争で、巨人スルトが投げつけた炎の剣で大地は焼き尽くされ、世界は滅亡しますが、この巨人は火の擬人化です。(豆知識:アイスランドの世界遺産、スルツェイ島はこの炎の神の名前が由来)

「人間」に目をやると、私は心がふるえます。木とともに<命の再生>を象徴するようなエピソードが数多くあるからです。

んと、人間は「木」から創られます!オーディン3兄弟が流木を拾って彫るのです。男はトネリコから、女はニレから(豆知識:女性がニレから誕生するエピソードはアイヌ神話にもある)。この男女が子孫を増やし、今に伝わる英雄伝説の主人公シグルズ(独名ジークフリード)などを生み出します。

最終戦争では人間もみな滅びますが、生き残っているんですね、しっかりと。木のウロの中で、朝露を舐めて生きのびた男女が人間の新たな始祖になった、と神話は語っています。男の名前は「リーブ(生命)」、女の名前は「レイブスラシル(生命を継承する者)」。この名前もまた命の再生を感じさせるものです。

して、最も重要なのは、天と地とを支える大きな木、宇宙樹ユグドラシルです。樹種はトネリコまたイチイとされ、樹冠は天に達し、根は地獄の泉まで伸びています。北欧神話の世界観を成す存在であり、この木の周りで、神々と巨人との戦い、人間たちの物語は繰り広げられます。(豆知識:宇宙樹は世界樹とも呼ばれ、1本の中心軸(中心柱)が世界を支えるという樹木崇拝の考え方。インドの菩提樹、エジプトのイチジク、聖書の生命の樹など、世界各地に同様の存在がある。日本では『古事記』の国造り神話に登場する天の御柱、伊勢神宮の心の御柱、諏訪大社の御柱などがそれにあたるでしょう・・・この話を始めると尽きないのでここでやめておきます)。

「北欧神話」はとにかくおもしろい。日本人には遠い神話と思われるかもしれませんが、私たちはほとんど毎日、北欧の神様と出会っています。火曜日Tuesdayは戦いの神テュールの日、水曜日Wednesdayは主神オーディンの日、木曜日Thursdayは雷神トールの日、金曜日Fridayは女神フレイヤの日。ね、じつは身近にいるでしょう?

人生を楽しく生きる知恵もつまっています。北欧の国々が「世界幸福度ランキング」の上位を占める理由がわかってきます(2018年、日本は54位)。こちらは主神オーディンの格言を集めた『自分を信じる 超訳「北欧神話」の言葉』(幻冬舎)をご一読くださいな

伝えたいことが次々出てくる「北欧神話」。次はどんなアプローチでいこうか、考えているところです。


『いちばんわかりやすい北欧神話』杉原梨江子著(実業之日本社刊)

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2018年8月 6日 (月)

2018年8月末まで 展示「原爆を生きのびた木、咲いた花」in 日比谷図書文化館

「原爆を伝える2018-原爆を生きのびた木、咲いた花」
▼会期:717日(火)~831日(木)
▼場所:千代田区立日比谷図書文化館 3階図書フロア
(千代田区日比谷公園1-4(最寄り駅:霞が関、内幸町)
▼写真・解説:杉原梨江子
▼無料
内容
194510月、アサガオの花が咲いた
・被爆後の植物の状態、斑入りのフジバカマ
・「原爆の絵」と木
・被爆者が語る木
・絵本『おこりじぞう』最後の1枚 etc.

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併設展示
「詩画人・四國五郎が伝えたかったこと」
同館で85日に開催された、講演会に関連する書籍を展示。息子、光さんのお話と、女優・木内みどりさんによる絵本『おこりじぞう』朗読。こちらの展示も合わせて、ご覧ください

 





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2018.8.6『絵本おこりじぞう』最後の1枚に描かれた白い花

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詩画人・四國五郎さんの『絵本おこりじぞう』

最後の1枚に白い花が描かれています。

四國さんはどんな思いでこの1枚を描かれたのでしょうか。

息子・光さんと、絵本を企画した当時の担当編集者、斎藤雅一さん(金の星社会長)からのメッセージをパネル展示しました。

被爆樹木の写真と合わせて、どうぞご覧ください。

「原爆を伝える2018-原爆を生きのびた木、咲いた花」
▼会期:717日(火)~831日(木)
▼場所:千代田区立日比谷図書文化館 3階図書フロア
(千代田区日比谷公園1-4(最寄り駅:霞が関、内幸町)
▼写真・解説:杉原梨江子
▼無料

併設展示「詩画人・四國五郎が伝えたかったこと」

 

 




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8月6日8時15分、原爆が落とされた日

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2018年8月6日8時15分。

73年前、被爆した叔父は90歳になりました。ガンと闘いながら、被爆証言を続けています。

原爆を直接知らない世代がしっかりと被爆者の声を聴き、伝えていくこと。

「核」を使うことを決して許さないこと。

戦争へ向かおうとする人々、世論を許さない、と言い続けること。

それは勇気のいることですが続けていきます。

人間が残酷に焼き尽くされた大地で、再び芽吹いた木のいのちを通して。

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広島平和大通り、白神社前のムクノキ。爆心地からの距離530メートル



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2018年8月 2日 (木)

2018.8.21ラジオ出演「ブック・アンソロジー」第14回ヒマワリ

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【ラジオ出演のお知らせ】


月に1度、新刊『花のシンボル事典』から季節の花を紹介するラジオ。

8月は「ヒマワリ」についてお話しします。

シンボルは「太陽」。

あざやかな黄色が目にまぶしいヒマワリは、まさに夏のシンボルですね。

この花を愛した画家ヴァン・ゴッホについてお話しします。有名な「ヒマワリ」の絵をご覧になったことはありますか。世界で7枚残るうちの1枚が東京の「東郷青児記念 損保ジャパン日本東亜美術館」で見られますよね。

ゴッホは花の黄色を出すことに情熱を燃やしたといわれています・・・。続きはラジオでどうぞ。

◎番組名
エフエムふくやま・本の情報「ブック・アンソロジー」
<もっと素敵にマイライフ>のコーナーにて。
◎放送日:毎月・第3火曜日の19時35分から。

※動画ラジオ、YouTubeでお聴きください。
第12回 2018年8月21日(火)放送

★ヒマワリ(キク科・1年草)
学名:Helianthus annuus
シンボル:太陽、情熱、誠実な愛
裏シンボル:偽りの富、高慢

 

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2018年7月31日 (火)

2018.7.31ニュース「被爆樹木の保存、国が補助」

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今日、「被爆木樹」に関する嬉しいニュースがありました。広島・長崎の被爆樹木の保存、国が補助することを検討、8月6日、安倍首相が広島で表明する予定と共同通信から配信されました。

被爆樹木のことを多くの人に知っていただく機会になるのではと期待しています。


詳細:中国新聞7月31日付
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=85017

★写真:広島市登録の被爆樹木「善正寺のサルスベリ」

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2018年7月16日 (月)

2018.7.16ラジオ出演「ブック・アンソロジー」第13回ユリ



【ラジオ出演のお知らせ】


月に1度、新刊『花のシンボル事典』から季節の花を紹介するラジオ。

7月は「ユリ」についてお話しします。

シンボルは「純潔」。

ギリシャ神話からユリ誕生のヒミツをお話ししましょう。じつは、「天の川」の始まりにも関わる伝説なんですよ。それは・・・heart04

◎番組名
エフエムふくやま・本の情報「ブック・アンソロジー」
<もっと素敵にマイライフ>のコーナーにて。
◎放送日:毎月・第3火曜日の19時35分から。

※動画ラジオ、YouTubeでお聴きください。
第12回 2018年7月16日(火)放送
https://www.youtube.com/watch?v=ej84ZQ_mzLo

★ユリ(ユリ科・多年草)
学名:Lilium
シンボル:純潔
裏シンボル:嫉妬

 

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2018年6月18日 (月)

2018.6.19FMラジオ出演ブック・アンソロジー第12回ヤグルマギク

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【ラジオ出演のお知らせ】


月に1度、新刊『花のシンボル事典』から季節の花を紹介するラジオ。

6月は「ヤグルマギク」についてお話しします。

シンボルは「永遠の愛」。

1922年に、ツタンカーメンの墓が発見されたとき、彼の胸元に置かれた小さな花輪の中に、ヤグルマギクの花も入っていました。しかも、その花びらには、かすかに青色が残ていた、と伝えられています。18歳でこの世を去った若きファラオを王妃さまとのエピソードをお楽しみくださいheart04

◎番組名
エフエムふくやま・本の情報「ブック・アンソロジー」
<もっと素敵にマイライフ>のコーナーにて。
◎放送日:毎月・第3火曜日の19時35分から。

※動画ラジオ、YouTubeでお聴きください。
第12回 2018年6月19日(火)放送
https://www.youtube.com/watch?v=6i02I7MO3tw

ツタンカーメンと王妃のエピソードは、私の本『神話と伝説にみる 花のシンボル事典』の序文でも紹介しています。ぜひご覧くださいネhappy01

★ヤグルマギク(キク科・1年草)
学名:Cenaurea cyanus
シンボル:永遠の愛、誠実、死と再生
裏シンボル:独身のみじめさ

 

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2018年5月26日 (土)

熊野の旅、ご神木の胎内くぐり

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初めての熊野で、運命的な出会いがありました。

神内神社の「蘇りの木」。

クスノキのご神木で、胎内くぐり。

思いがけない神秘的な体験でしたconfident

もう1本は同神社の石鳥居そばに立つ「安産樹」。

子どもをあやすように、石を抱えているんですよ。

どちらも公式サイトで紹介しています。どうぞご覧ください。

http://rieko-sugihara.com/photo_essay/j_tree/mie/

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2018年5月23日 (水)

熊野の旅 夜の闇に浮かぶ那智の滝


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これは昼間の「那智の滝」ですが、今回の旅でいちばん感動したのは、夜にこの滝の前まで連れて行っていただいたことです。

懐中電灯を持って石段を下り、滝場の前に来たときは真っ暗で、滝の音だけが聞こえていました。

「懐中電灯を消して」とIさんの声に全員が消すと・・・真っ暗闇

と、ふわーと那智の滝が浮かび上がったときの幻想的だったこと!

滝の落ちる場所だけが白く浮かび、耳に届いていた音がその滝から聞こえるとはっきりとわかった瞬間。何とも言えない感動に包まれました。

滝の白さだけが「明」を表すもの。ただただ暗闇。ご一緒した皆さんの姿もどこかわからりません。一瞬、わたし1人ではないかと怖くなるくらい。

滝と向き合い、静かに見つめ、耳を澄まし、、、。

私が滝と対話するのを待っていてくださる皆さまの優しさを感じながら、もうしばらく、もうしばらくと思いつつ、「帰ります」と。

滝をあとにするときは寂しい思いにかられましたが、昼には味わえなかった感動に、心も体も鎮まった時間でした。

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昼間は楽しい石段ですが、夜はちょっとこわかった。

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