エリザベート皇妃と古代ケルト
宝塚、観に行きました。
月組・男役トップスターの瀬奈じゅんさんのミュージカル『エリザベート』。
エリザベートを演じたのは、凪七瑠海(なぎなるうみ)さん。
19世紀末、その美しさはヨーロッパ随一といわれた、オーストリア=ハンガリー帝国皇后。
瀬奈さんが演じたトートは黄泉の国の帝王。凛々しくて、かっこよくて、クールな視線が素敵でした。
エリザベートといえば、ウィーン。
私とエリザベートとの出会いは、友人に誘われ突然旅立った、ウィーンでした。
ハプスブルク家の居城、シェーンブルン宮殿、ベルベデーレ宮殿、ウィーン王宮・・・。光り輝くようなウィーンの美しさを今でも忘れることができません。
本場のミュージカルも見ました。熱狂的なファンたちが集う劇場で、トート役の男性が出てくるたびに、声援が飛んだのを思い出します。
音楽の都、ウィーンでも、ミュージカルとなると、女性たちの黄色い声が飛び交うのを不思議な気持ちで聞きました。クラシックの殿堂、学友会館やウィーン国立オペラ座では、みなさん静かに聴いてましたから。
そして、なによりも、私にとって、エリザベートが特別なのは、彼女が、“古代ケルト文化”に興味をもっていたからなのです。
古代ケルトの遺産が、世界で初めて発見されたのは、1846年。
ザルツブルクから約2時間のところにある湖畔の街、ハルシュタットの塩山で、古代ケルト人の墓が発掘されました。
1863年までに980の墓と、数多くの副葬品が出土したのです。
そして、1856年。エリザベート皇后は、皇帝フランツ・ヨーゼフとともに第507号墓発掘に立ち会ったといわれています。
発見されたのは、剣や青銅製のワイン壺、陶器などもありましたが、なによりも輝いていたのは、王族が身につけていたとされる装身具。
渦巻文様が連なるブローチ、黄金の首環(トルク)など、現在でも使えそうな美しいジュエリーの数々は、エリザベートの美意識を刺激するものだったに違いありません。
私にとってのエリザベートを思い浮かべながら、宝塚の舞台を観ました。
彼女が生きていた時代が目の前でよみがえる・・・夢のような時間を過ごしたのでした。
7月10日(金)~8月9日(日)東京宝塚劇場
心ふるえる瀬奈さんの視線。皇帝フランツ・ヨーゼフの息子、皇太子役の青樹泉さんもとてもかっこよかったです。
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