新体道寒稽古2011
私の一年は、一泊二日の寒稽古合宿から始まります。
早朝5時、極寒の九十九里浜を走るのです。
星がまたたいています。海は真っ黒で、ザザーッと打ち寄せる波しぶきだけが、かろうじて白く浮かび上がる、暗闇の中を。
男8人、女4人(そのうち1人はフランス人女性)の計12人。
今年のテーマは「栄光の剣」。樫の木でできた木刀を持って、剣先を空の一点に定め、走り続けます。
それぞれが2011年への理想を胸に、朝日が昇るまで、駆け抜ける時間。
走り続けることによって、何が起こるか?
実現したい理想を“からだ”に覚えさせるのです。そして、それを現実社会で具現化していく自分自身になってゆけるのです。
“からだは宇宙のメッセージ”。
新体道は、気の武道家・青木宏之師が創り出した前衛武道です。
心は移ろいやすく、日常で様々なことが起こるたびに、初心を忘れたり、気が変わったりします。新しい人と出会うたびにも、自分の心は変わります。
しかし、体で覚えたことは決して忘れません。自分の体でつかみとった真実は誰にも消すことはできないのです。
私はそれを毎年実感し、一年を過ごす中で実感し、新年のスタートにはこの九十九里浜に還ってくるのです。
倒れそうなほどのつらさや苦しみを、穏やかに鎮め、正常なリズムに整えてくれる体の力。復活した後の、力強いエネルギー。
今年もすばらしい稽古になりました。
走り終わった後、砂浜に置いておいた防寒用のジャンパーを着ようとしたら、凍っていました。宿に戻ったら、雪が降り始めました。吹雪みたいに窓の外は真っ白。
そう、この土日、全国的に大雪だった寒い日でした。
でも私は、「わあっ! 午後の稽古は雪の中やるのかなあ、楽しみだなあ」なんて思うくらい、体の中から喜びがあふれてくるのです。
“私は生きている!”って。
あ、でもね、二日目の稽古が終わった後、右足が猛烈に痛くなり、5センチも前に進めなくなってしまいました。へなちょこです~。
そうしたら、若い武道家が二人、かわりばんこにおんぶして宿まで連れて帰ってくれました。ありがとう(涙、涙)。
↓海に向かって瞑想もするのも感動です。私自身も大自然の一部であることを実感し、海や空や砂や風と一体化してゆきます…。
午後の稽古、走った足跡に雪がたまっていました。
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コメント
はじめまして。少し前からブログを拝見させて頂いてます。私はアイルランドに住んでいて、ここの文化に興味があり、その関係で杉原さんの本とブログを見つけました。
走ることによって実現したい目標を体に覚えさせるのって、なるほどと思いました。
また遊びにきます。
投稿: shiz | 2011年1月24日 (月) 05時50分