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2013年8月28日 (水)

スウェーデン日記5 ウプサラ大学図書館 Uppsala University Library

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ルーン石碑のところにいつまでもいたいところだが、午後には古墳「ガムラ・ウプサラ」に行く予定にしていたので、目的のウプサラ大学の図書館に向かうことにする。駅で知った「Corolina Rediviva(大学付属図書館 カロライナ・レデヴィーバ)」にはルーン文字が描かれた古書があるはずだ。ひと目でいいから見てみたい。

ウプサラ大学は1477年に創設された北欧最古の大学だ。ここウプサラは大学を中心にして栄えた町で、市内には研究室やいくつもの図書館がある。生命科学に関するヨーロッパの拠点の一つといわれ、BMCと呼ばれるウプサラ生物科学センター(Uppsala Biomedical Centre)も近くある。植物学者カール・フォン・リンネもウプサラ大学の卒業生である。ノーベル受賞者も多いという。

大学は大聖堂の近くにあるらしく、エントランスホールは出入りできるとガイドブックに載っていたので行ってみる。誰もいない。講堂らしい大きなホールの中に演出家らしき人が舞台を眺めている。何かの稽古だろうか。図書館がどこにあるのかは全くわからない。学生らしい金髪の青年に聞くと、近くに大学本部があり、そこで聞いてくれと言うので行ってみる。下り坂を挟んだところにこじんまりとした建物があるが入口がわからず、オフィスへの矢印はエレベーターを指している。見知らぬ土地でエレベーターに乗るのは不安がよぎったがともかく上がってみることにした。エレベーターを降りると明るい空間が広がっていて、まぎれもなく大学のオフィスらしい。受付の女性にCorolina Redivivaの場所を聞くと丁寧に教えてくれた。

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ピンク色の鳥の巣箱がある通りを歩き、Corolina Redivivaへと向かう。小さな信号のある広い道の向こうにクリームイエローの大きな建物が見えてきた。と、入口からアジア人らしい団体が出てきた。ワイワイとにぎやかに話している。中国人のようだ。ガイドさんが車が来るので危ないから早く渡るようにと大声で促し、どたどたガヤガヤ歩いていく。中国人が観光に訪れるような有名な場所なのだろうか。Corolina Redivivaのことなど、『地球の歩き方』には載っていなかったが。

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Corolina Redivivaは正面入り口を入って右手にミュージアムショップ、右に展示室、奥のほうが図書館の書架になっていた。若い女性が受付にいた。入場料20krを払って展示室に入る。写真は禁止。暗い空間、ガラスケースの中に古書が並ぶ。最後まで見るが結局、駅の張り紙で見たルーン文字が書かれた書物とは会えなかった。見過ごしたのか? とも思ったのだが、展示室なので定期的に本が入れ換わり、その期間には出ていなかったのだろう。ここには、「銀の聖書」と呼ばれるゴ―ト語で書かれた銀文字写本「コーデックス・アルエンスト」や北欧の木版地図「カルタ・マリーナ」、グーテンベルグのラテン語聖書などがあるという。貴重な書物であることは間違いないので、展示された古書を一冊一冊ゆっくりと見たが、残念ながら私にはそれぞれの価値を受けとめることができない。こんな時、中世英文学者で世界的な洋古書コレクターでもある高宮利行先生がいらっしゃったら、的確に解説してくださるのだろうと、遠い日本に思いをはせた。しかし、今私は一人であり、せっかくこんな遠いところまで来たのだから楽しんで帰ろうと気を取り直す。ミュージアムショップには古書の絵葉書や植物学者リンネの描いた植物絵(ボタニカル・アートの原点か?)など美しい本や絵やグッズがたくさん並べられていた。生命の樹のポスターもあった! しかし、旅の第一日目に持って帰るにはあまりにも大きいので諦めることにした。この後、リンネ博物館にも行くつもりだから、そこで見つければいいと思った。

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受付の女性はソフィアさんと言った。ウプサラに生まれて、この図書館に勤めているという。日本から来たと告げると、なんと上智大学に留学していたというではないか。「大学名のソフィア・ユニヴァーシティ、名前のソフィアと一緒ね」というと嬉しそうに微笑んだ。ウプサラでおすすめの場所は?と聞くと、「Linneminnen。リンネの植物園はとても美しくて大好きな場所、時々行くの。きっと感動するから、ぜひ行ってみて」と教えてくれた。facebookのアドレスを交換し合ってわかれた。その後、検索してみたが、探し出せなくて悲しい思いをしているのだが。旅先で、日本という共通のおしゃべりができたことは短くても、幸せな時間だった。

この後、リンネ博物館、ガムラ・ウプサラも行くとなるとそろそろ駅に向かわなくてはいけないと心をよぎるが、世界中の図書館巡りを目指している私としては図書館の書架を歩いていくことにする。ルーン関連の本を検索してみた。数冊見つけ、図書館員に本を出してほしいと頼むと、「ここから5分ほど歩いた別の図書館にあるから、そこで閲覧できますよ」と教えてくれた。地図もいただいたが、時間配分を考えるとどう考えても午後の計画に支障をきたすので諦めた。

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Corolina Redivivaを出てちょうど信号を渡ったところの通り名は「Odinslund」。こんな小さな通りにも北欧神話の神さまの名前を見つけて、嬉しくなった。

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350年以上の歴史をもつという植物園(Botanical Garden)ものぞいてみたくて、ウプサラ城(Uppsala Castle)まで歩いてみる。でも、植物園は見つけることができず、名残り惜しいけれど大学近辺からは離れることとした。

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大聖堂まで近づいた時、クラシックの生演奏が聴こえてきた。大勢の人が上を見上げている。ちょうど12時。衛兵の音楽演奏が始まったところだった。写真ではよく見づらいが、空に近い場所で楽器を鳴らしているのだ。よく目を凝らしてみると見えないか。音楽を耳に入れながら、最後にひと目とルーン石碑のもとへと行く。さあもう駅へと戻ろう。ガムラ・ウプサラに行けなくなってしまうぞ、と心に言いきかせたが、どっちの方向に歩いて行けばよいか分からなくなってしまった。(つづく)

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★ウプサラ大学 Uppsala University Library(Corolina Redivivaの説明もあり) http://www.ub.uu.se/

★Corolina Redivivaの映像はこちらから。静かな図書館で撮影するのはマナーに反する気がしたので写真はなし。http://en.wikipedia.org/wiki/Carolina_Rediviva

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