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2013年9月 3日 (火)

スウェーデン日記7 バスでガムラ・ウプサラに向かう To Gamla Uppsala

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ウプサラ城

スウェーデン日記をスタートして、6話まで書いてきたが、じつはこれらの出来事は半日の間のことである。

ストックホルム中央駅の3番線からウプサラ駅行きの電車に乗りこみ、811分に出発。約40分の車窓の旅を楽しんで、849分にウプサラ中央駅に到着。朝9時くらいからウプサラの街を歩き始めて、ルーン石碑の林立する場所からそろそろ駅のほうへ戻ろうと決めた時、ウプサラ大聖堂で音楽が鳴り響いた(日記5)、それがちょうど12時。

3時間あまりの滞在にしてはじつに充実していた。この後、スウェーデンの原風景といわれる「ガムラ・ウプサラ」を訪れるのだが、今思い出しても、このウプサラでの一日は凝縮された、かけがえのない時間であった。

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さて、気を取り直してウプサラ中央駅からガムラ・ウプサラへと出発だ。市バス110番か115番に乗り、約15分のところという。バス停はすぐ見つかったが到着まではまだ時間があった。午前中は何も口にせず歩きまわっていたのでのどが渇いていた。

冷たいものでも飲もうと駅に入ると、色とりどりのジェラートが並んでいるケースが目に飛び込む。美味しそう! 最も鮮やかな色をしたラズベリーのジェラートを買う。スタイリッシュな雰囲気のカフェでそこで過ごすのも心地よさそうだったが、風に吹かれたくて外に出る。芝生のある石のベンチでほおばりながらバスを待つことにした。

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ウプサラ中央駅の前は広々とした空間が広がり、透きとおった青空に真っ白な雲が流れていた。広場中央に噴水があり、ステーション・カフェでは人々がくつろいでいる。清潔感のあるさわやかな街という印象を受けた。

バス停では多くの人が並んでいた。間もなくバスが到着すると、ほとんどの人がカードを手にしている。スウェーデンでは乗り物の切符は日本のスイカのようにお金をチャージしていくカード式が一般的だ。私は旅行者、現金で払えばいいと思って、運賃30krを払おうとすると、サングラスをかけた運転手が「NO!」と叫ぶ。「Cash No! Credit card only」と大きな声で言う。えっ、
バスで小銭を使えないの? 信じられないと思いながらも、後ろに人が大勢待っているのですぐにカードで支払った。つまり、ウプサラのバスで使えるのはプリペイド・カードかクレジット・カードのみ。なんと画期的ではないか。「北欧はカード社会」だと聞いてはいたが、バスで現金が使えないほど浸透しているとは驚いた。

気を取り直して車内に乗りこむ。大勢の人が並んでいたので座れないかと思ったが、窓際の席に座ることができた。よく見れば運転手はあごのスッととがった細面で、サラサラした茶色の髪が好青年風、サングラスをとれば結構イケメンではなかろうか、などとつまらないことを考える。

ここから約15分、降りる場所を間違えないようにとバス停の名前を一つ一つ確かめていった。ウプサラ中央駅から少し離れると、とたんに田舎町といった寂しい風景になってきた。建物は少なく、広い野原や畑が広がる、緑の景色が続く。ともかく、無事に着ければいい。資料でしか見ることのなかった北欧の神々の大地にやっと立てるのだ。

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まもなく「ガムラ・ウプサラGamla Uppsala」に到着した。見わたすかぎり何もない場所だ。ここがガムラ・ウプサラ……? 少々不安になりながらバスを降り、運転手のほうを見上げると、Good Luck!と親指でサインを出した。

Good Luck!……か。徐々にバスが遠のいていくのを眺めながら、グッドラックの意味を考える。バス停の看板にはたしかにGamla Uppsalaと書いてあるが、それらしいものは何もない。ああ、そうだ。こんな何もないところで降りる人なんていないのだ。彼のGood Luckのサインは「たった一人でご苦労さん、まあ、がんばって行けよ」くらいの皮肉を込めた意味だったにちがいない。

バスが去ってしまえば、私はぽつんと一人。東西南北、見渡してみる。何もない。風がぴゅーっと頬をかすめていく。ぼう然と立ち、途方にくれる。少し離れたところに建物を見つけた。早速走って行ってみるが、柵は壊れ、家は土埃で覆われ、誰も住んでいるようには見えない。扉を叩くが中から物音はせず、押しても引いても開かない。誰もいない。そんな……。こんなところで私一人、どうやってウプサラに戻っていいかもわからない。バスも当分来ないだろう。どうしようかと途方に暮れていると、遠くのほうで工事をしているらしい人影が見えた。

人がいた! ほっとして近づき、工事用の黄色い車に乗っていたおじさんにGamla Uppsalaの場所を聞くと、「ここの土地のもんじゃないからわかんねえな」という感じの英語ですげない返事。地図を引っこめうつむく私。あまりに意気消沈する姿に気の毒に思ったのか、「でも多分、あっちじゃないかなあ。時々人があっちに向かって歩いているから」とおじさん。私は「行ってみます。ありがとう」と答え、ともかくおじさんが指さすほうに向かって歩いてみることにした。

そこから歩くこと5~6分。角を曲がると、Gamla Uppsalaの看板が。あった……。はあぁぁぁ、私は心の底から安堵のため息をつき、ガムラ・ウプサラへと歩いて行った。

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★ガムラ・ウプサラ Gamla Uppsalaの地図を示した赤い看板。これが見えた時は心底ほっとした。

2013.7.2



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