スウェーデン日記15 ガラスの中に“ダーラヘストの魔法”を閉じこめて Dalahäst
ダーラへスト……。それはスウェーデンのシンボルといわれる木彫りのおもちゃ。「幸運を運ぶ馬」と呼ばれています。
ストックホルムのお土産物屋さんにはたくさんのダーラヘストが並んでいました。手のひらに乗るくらいの小さなダーラヘストから、スーツケースに入るかしら!? と迷うような大きなダーラヘストまで。
この赤い馬はスウェーデンの中央辺りに位置するダーラナ地方で生まれた木工芸品。誕生したのは18世紀頃です。林業が盛んだったこの地域では、男たちは家族のもとを離れて、森の中で仕事をしていました。愛する妻や子供たちのもとへ帰りたい、その郷愁の思いから、子供たちへのお土産として木片で馬を彫ったのが始まりといわれています。森の中を馬に乗って、早く家族のところへ! この馬には、家族を愛する気持ち、家庭の幸福を願う気持ちなどがたっぷりとこめられているのでしょう。
ダーラヘストは真っ赤な馬の背に、手描きで模様がえがかれています。一つ一つ手づくりなので、微妙に模様がちがうところがなんともいえず、選びながらも、愛おしい気持ちが湧いてきます。現在のダーラヘストは松の木で作られているそう。私が選んだのは、ブックスタンドになりそうなナプキンホルダー。古書店で手に入れた古代北欧神話集『EDDAエッダ』を飾っています。
上の写真は、ガラス作家・土井朋子さんのワークショップで作ったもの。5枚のガラス板に特殊な色紙でカットした、ダーラヘスト、森、背の模様などをのせていきます。それを合わせて、焼いていただいたら、こんな素敵なペーパーウェイトができました。中心には<光のルーン>をきらめかせて
蒼い森を駆けぬけて、愛する人を大切に想う、私だけのダーラヘストです
★ダーラナ地方:夏至祭で有名な観光地。
民族衣装に身を包んだ人々がメイポールのまわりを踊るお祭りは、“天と地とを貫く大きな木がこの世界を支えている”という北欧の宇宙樹思想(TREE OF LIFE)がベースとなっています。木彫り細工、木の皮細工などの手工芸品がお土産として売られています。
◎行き方:ストックホルムから電車で約4時間。ダーラヘストの工房をゆっくりと見たいなら一泊したい。
★ガラスのペーパーウェイトづくりを教えてくださった、ガラス作家・土井朋子さんのブログ
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