10/26巨樹めぐり in 福島「大悲山の大杉」
大悲山(だいひざん)の大杉
(県指定天然記念物)
所在地/福島県南相馬市小高区泉沢
樹種/スギ(ヒノキ科)
樹齢/約1100年
樹高/約45メートル
幹周り/約8.6メートル(2014年10月現在)
今回の「FUKUSHIMA巨樹めぐり」の目的はこの大杉!
原発事故で通行規制されていた福島県内の国道6号線の二葉町~富岡町間が、2014年9月15日、全線開通し、自由に通行が可能になったので、南相馬の「大悲山の大杉」まで行けると思ったからです。震災半年後は行けませんでした。
じつはこの日も、浪江町側からでは途中で道が封鎖、国道6号線に引き返すことに。もしや会えないのでは!?と心配しましたが、ちゃんと行けました。ここまで来るにも何度か検問を通って進んできたのです。会えて、よかった
圧倒的な生命エネルギー! ここに来るまで、不思議な匂いが町の中でしていました。青くさいような、葉っぱのような。鼻のいい友人が、この神社に到着するなり、「この匂いだ!」と大杉をくんくん。樹齢1100年のスギの香は町じゅうに漂っていたんですね。
生命エネルギーに満ちているところを通ってきた私たち……。
地上3メートルのところで、枝が数本にわかれ、まるで、それ自体が生き物のようで、触手が動いているみたい。宮崎駿監督の映画に出てくるオームのよう!?
古い立て看板にはこんなふうに書かれてありました。
「霊木
樹令 壱千百余年
大悲山の大杉
古くからお百度巡は
特に縁結 安産
長寿満足に
霊験あり
大悲山慈徳寺」
生きてる。あたりまえだけど、今にも動き出しそうで、神が意志をもって、スギの姿として現れたのだと思いました。
薬師堂には石仏さまが並んでいらっしゃいました。この磨崖仏群は岩にそのまま彫られ、そこに社殿が建てられていたのです!
ここを訪れるほとんどの人がこの石仏様を見にいらっしゃるのだろうけど、私たちは「大杉」が目的だったので、岩に掘られたまんまの石仏様を見たときは、ぎょっ、びっくりっ、感動
人間がつくったものとはすぐには信じられませんでした。
小さな石仏さまも岩壁に。お百度巡りの石仏様もここに(写真中央あたりの石)。
奥の社殿前には夫婦杉も立っています。
根元には、瞑想にちょうどいい形の石があって、とにかく座り心地がいいのよ~
ほんの少し色づき始めたモミジも素敵。
エリンギ岩。
ご近所の方でしょうか、杖をついたおばあちゃん。大杉をしばらくの間、見上げていらっしゃいました。
ああ、立ち去りがたい。
じつはこの大杉のとなりにも、1本立っていました。最初は「2本も大きい杉が一緒に立っててすごいなあ」と両方を一緒に見ていたのですが、だんだんと、大杉のエネルギーに圧倒され、「となりと一緒にするなよ~」という気が伝わってきました。
大杉の“想い”というか、“語りかけ”のような、言葉にならない何かが……。
帰る頃にははっきりと、「大悲山の大杉」こそ神宿る樹であり、他の杉とは別格の存在なのだ、ということがわかってきました。
それは、大杉が教えてくれたのです。
最後にしっかりと手を合わせ、さよならを言いました。
すばらしい出会いに感謝して。そして、ここまで一緒についてきてくれた相棒にも、ありがとう
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