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2014年11月29日 (土)

有馬晋平展―こだまのここち

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「樹」と向き合って、作品をつくる人と出会った。

こういう出会いがあるとき、自分が辿ってきた道が正しいと、

そして、これから進もうとする道も正しい、と信じられる。

だから安心して進んでいきなさい……と天の神さまから背中を押される瞬間がある。

今日はその日だ。数か月の間でいちばん、心ふるえる、嬉しい出会いだった。

造形作家、有馬晋平さん。



杉の木から、こだまをかたちづくっていく。

杉の木の“たましい”をすっと取り出したかのような、

丸い、それぞれに木目がちがう、

いのちのしずくの一滴のような……。

杉の木はもうそこに立っていないのに、森で生きていた何本もの杉のいのちがたしかに、そこに在った。

有馬さんがリーフレットに書いたことばをそのまま伝えます。


杉の木から生まれた こだま 

それは、杉が生きてきた時間を削り出した かたち 

その ここちを感じてほしいと思っています。

―こだまのここち―


涙があふれそうになるのを、私は何度もおさえなければならなかった。

「樹」と向き合う人がここにもいる。

私と同じように、「樹」といういのちに心惹かれる人がいる。

そのことが、ただ嬉しかった。

私もまた、「樹」のいのちのしずくをとり出してみたいと、

「樹」のたましいをことばにかえて、永遠に、

人と樹との間に残してみたいと、心から思った。

そして、その言の葉はまだ、小さな芽ひとつ出してはいないのだという現実も。

ギャラリーを出て、すばらしい巡り合いをありがとう、と空を見上げた。

誰かが私を導いている。私もまた、

「樹」と向き合い、何かを伝え続けるために生まれてきた人間なのだ。

すべての時を、「樹」とともに生きていこう。

今日からふたたび。

★有馬晋平さんの作品は明日11月30日(日)まで
ギャラリーYUNOR(白金台)で見られます。
東京都港区白金台5511 
h
ttp://gallery-yunor.com/web_arima/shimpei_arima_exhibition_.html

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有馬さんが育てた杉の子ども。


大分県に工房を構えていらっしゃる有馬さん。いつか訪ねて、杉の森を一緒に歩いてみたい。

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ふと覗いたら、「樹」でつくられた、心地よさそうな丸い何かが目に飛び込んで、思わず入ったギャラリーでした。

「ギャラリーYUNOR」の宮原貴寛さんも、樹が好きな、素敵な人でした。もうおしまいの時間に入れてくださって、ありがとうございました。

天の神さまはこうやって、時々、私が大切なものと出会わせてくれるのですよね

 

 

 

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