財務省・福田事務次官のセクハラ疑惑報道に思うこと
米国で「#Me Too」ムーブメントを起こした報道が、2018年ピュリッツァー賞を受賞しました。一方、日本では「Me Tooが広がらない」と海外メディアが報じています。
財務省・福田淳一事務次官のセクハラ発言問題。あんな程度のことなら、日常茶飯事。女性記者、ライターだけでなく、働く女性はみんな多かれ少なかれ経験しているんじゃないでしょうか?
渦中のニュースは政治家のモラルの問題ではなく、この国の男と女の問題です。
日頃セクハラ発言があまりに多いので、夕方以降、男性編集者と2人きりで会わない、を鉄則としてきました。しかし、昼でもセクハラ発言をする男性はいるし、夜の会食などで大勢人がいても卑猥な発言を繰り返す男性も多い。これが現実です。
しかし、誠実な男性編集者や仕事関係の人たちと、セクハラ発言の多い男性とは、全く違う外見や仕事ぶりかというとそうでもなく、いたって普通の、人当たりのいい、ご挨拶程度なら「いい人だな」と信頼できる雰囲気の人、仕事ができる人も多いのです。訴えても信じてもらえないかもしれない。そこが女性が告発する難しさとなっていると思います。
男性編集者、取材相手、仕事関係者等からの忘れがたいセクハラ発言。「ホテルに行こう」「関係を持ったほうが仕事がうまくいくよ」「あなたと会うと〇〇〇したくなる」等々、すべて仕事の打ち合わせ中(!)での発言です。福田氏が言った程度の発言がセクハラと大問題になるなら、訴えればよかったと過去の自分が腹立たしくなる。泣き寝入り。結局、そんな仕事相手とは縁遠くなり、その編集部にも行きづらくなり、仕事をなくす。彼らは会社員なので、1人のライターが去ったにすぎず、痛くもかゆくもなく、今頃は定年退職して、悠々自適でしょう。
なぜ、訴えなかったのか?
セクハラをした人間よりも、自分のほうが不利になるだろうな、という判断です。
もしも告発した場合、まず「敵」となるのは、セクハラした人間を取り巻く、男性の上司、同僚、部下。さらに怖いのが女性。その編集部だけでなく、同業者の女性たちも批判の目を向けるでしょう。夜に2人きりになったのが悪い、そんなこと言われた(された)くらいで訴えるなんてバカじゃないの、仕事をとるために誘惑したんじゃないの、自業自得だ!などと非難を浴びるだろうなと怖かった。
結局、戦う勇気がなかったのです。
言葉によるセクハラにとどまらず、ある事件が起きた時(今思えば刑事告訴できた案件、強制わいせつ罪にあたる)、私はもう若いという年齢ではなかったので、こんな年で訴えるなんて恥ずかしいという思いもありました。他人にうまく説明する自信もなかった。何よりも、こんな問題を起こしたら、今後の仕事に影響があるだろうと思い、ぐっと我慢をしました。それに私はフリーランスで、1人で戦わなくてはいけませんでした。たった1人で、大手出版社の編集者相手に戦いを挑むのは、よほどの根性がないとできないと思います。
渦中にいる女性記者の今後の動向に注目したいと思います。彼女が大手新聞社や出版社など組織に所属する人間であることを祈ります。フリーランスだったら、この人は切り捨てられ、孤立無援となるでしょう。セクハラ問題を1人で戦うには相手が大きすぎます。政治家も新潮社も世間も、手玉に取るくらいの強い人であってほしいと切に願います。
人間は弱いものなのです。「Me Tooは日本では広がらない」今後もそうだと思います。
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