2019.1.12トークイベント報告「北欧神話を紡ぐ」with仙波るいさん
「仙波るい個展 紡戯ごと~北欧神話を紡ぐ」トークイベント
日時:2019年1月12(土)15:00~
場所:CASEギャラリー(代々木八幡or代々木公園駅)
1月、アーティストの仙波るいさんと行ったトークイベント、とても楽しい会になりました。
「北欧神話」をテーマにつくられたテキスタイル・アート。るいさんの作品に描かれた女神さまや動物たちの物語を1つ1つご紹介しながらお話ししました。
写真は、宇宙樹ユグドラシルの枝に、神話に登場する動物たちがのっかっているのですが、どのコにも神秘的な物語があります。食べても食べても蘇るヤギ、馬より早く走る黄金のイノシシ、躊躇する者という名のシカ。指さしているのは、女神フレイヤのネコetc.
それから、人間の寿命を決める運命の女神さま等々。
布に絵を描き、染め、さらに、糸をさすという、果てしない工程を経て作られたるいさんの作品は、あたたかで、やさしくて、なんてかわいい世界。「北欧神話」といえば、漫画『進撃の巨人』やゲームなど、神さまVS巨人のようなバトル世界というか、戦闘のイメージが強いけれど、じつはこんなにほのぼの、かわいい世界もあるんです。北欧の自然の色や空気感、北欧の幸福感もちゃんと表現してくださったことが本当に嬉しかったです。
なんといっても、私が知りたかったのは、どうして、「糸をさす」という表現を選んだの?ということ。「糸」でひと針、ひと針・・・。
質問すると、るいさん、ご自身のアートの始まりや制作過程のことなど、丁寧にお話ししてくださいました。同じ緑色の糸でも濃い緑、淡い緑と色味を変えたり、同じ色でも、糸の太い細い、さす本数を変えて表現しているという制作秘話には感動しちゃいました。パッと見ただけではわかりません。トークのあと、目を近づけて、じーっと見つめる人が続出!
布の絵本も素敵でした。北欧神話は時系列に並んでなくて、さまざまな物語が集まって、1つの神話になっているのですが、エピソードの1つ「雷神トールの妻シブが丸坊主にされる事件」が、かわいい、かわいいアートになっていました。物語の中でいちばん印象に残ったから、選んだそう。
上の写真は、ノルウェーのオスロ市庁舎前にある北欧神話の木彫り壁画。雷神トールが空を駆けるようすが彫られています。皆さまに、旅したときの写真を見せながら、トールがどんな神さまなのかを話しました。
「ほかにも、いろんな物語が絵本にできるよね、第2弾、第3弾が楽しみね!」とトークは締めくくられました。
蘇るヤギの話とか、若返りのリンゴをもつ女神イズンの話とか、トールが巨人にだまされる話とか、、、。
新しい楽しみが生まれた時間。
るいさん、いらしてくださった皆さま、ありがとうございました
いい1日でした。
主催のCASEギャラリーYukawaさん、ありがとうございました。
※写真はるいさんのだんな様の撮影です。
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